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CAD、CAM、CAEとは?違いと関係性、統合的活用法を紹介します

最終更新日:2024.10.21 / 公開日:2024.10.21

CADとはComputer-Aided Designの頭文字を取ったもので、製品の設計図面をデジタル化するためのツールです。CAMとはComputer-Aided Manufacturingの頭文字を取ったもので、製造プロセスを自動化するためのツールです。CAEとはComputer-Aided Engineeringの頭文字を取ったもので、シミュレーションによる製品の性能分析を行うためのツールのことです。

現代の製造業において、デジタルツールの活用は避けて通れないものとなっています。なかでも、CAD、CAM、CAEは特に重要な役割を果たしています。
しかし、これらのツールの違いや関係性、そしてどのように統合的に活用するかについては、まだ多くの企業が理解しきれていない部分も多いのではないでしょうか。

本記事では、CAD、CAM、CAEの基本的な概念とその違い、そしてこれらを効果的に活用するための方法について詳しく解説します。さらに、Autodesk Fusion(Fusion360)を使用した具体的な統合的活用法もご紹介します。

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CAD、CAM、CAEとは?

CAD、CAM、CAEとは、それぞれ何でしょうか?改めて詳しくご紹介いたします。

CADとは?設計図面のデジタル化

CAD(Computer-Aided Design)は、製品の設計図面をデジタル化するためのツールです。CADを活用することで、手作業では困難な精密な設計が可能となり、製品開発の効率化を図れます。

CADのメリット

CADを利活用する主なメリットは「効率化」「精度の向上」「データ管理」です。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

  • ・効率化...手作業での設計に比べて、作業時間を大幅に短縮できます。たとえば、設計の修正や変更が迅速に行えるため、プロジェクトの進行がスムーズになります。
  • ・精度の向上...デジタルツールを使用することで、設計ミスを減らし、高精度の図面を作成できます。このため、製品の品質が向上し、不良品の発生を防ぐことができます。
  • ・データ管理...図面データをデジタルで管理することで、検索や共有が容易になります。この結果、チーム内でのコラボレーションが円滑になり、情報の一貫性が保たれます。

CAMとは?製造プロセスの自動化

CAM(Computer-Aided Manufacturing)とは、製造プロセスを自動化するためのツールのことです。
設計データを基に機械の操作をプログラムし、製品の製造を自動化します。

CAMのメリット

CAMを利活用する主なメリットは「生産効率の向上」「品質の一貫性」「コスト削減」です。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。

  • ・生産効率の向上...製造工程を自動化することで、生産時間を短縮し、生産効率を向上させられます。自動化により、複雑な加工も高い精度で実行できます。
  • ・品質の一貫性...自動化により、製品の品質が一定に保たれます。このため、品質管理の負担が軽減されます。
  • ・コスト削減...自動化によって人件費を削減し、コストを抑えることができます。さらに、効率的な資源利用により、材料費の削減も期待できます。

CAEとは?シミュレーションによる分析

CAE(Computer-Aided Engineering)は、シミュレーションによる製品の性能分析を行うためのツールです。設計段階での性能評価や改良点の検討を行います。

CAEのメリット

CAEを利活用する主なメリットは「性能評価」「コスト削減」「設計の最適化」です。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。

  • ・性能評価...実際に製品を作る前に、シミュレーションで性能を評価できます。この結果、設計段階での問題点を早期に発見し、修正することが可能です。
  • ・コスト削減...試作の回数を減らし、コストを削減できます。シミュレーションを活用することで、無駄な試作を減らし、材料や時間の浪費を防ぎます。
  • ・設計の最適化...シミュレーション結果を基に設計を改良し、最適化を図れます。その結果、製品の性能や耐久性が向上し、競争力のある製品を開発できます。

CAD、CAM、CAEの違いと関係性

ここでCAD、CAM、CAEの違いと関係性について、ご紹介いたします。

CAD、CAM、CAEの違い

CAD、CAM、CAEはそれぞれ異なるフェーズで重要な役割を持っているツールです。改めて、それぞれの役割を簡単にお伝えします。

  • ・CAD(Computer-Aided Design)...設計図面のデジタル化を行うツールです。製品の設計や図面作成を効率化し、精度を高めることができます。手作業では困難な精密な設計が可能となり、製品開発の効率化が図れます。
  • ・CAM(Computer-Aided Manufacturing)...製造プロセスを自動化するツールです。設計データを基に機械の操作をプログラムし、製品の製造を自動化します。製造工程を自動化することで、生産時間を短縮し、生産効率を向上させます。
  • ・CAE(Computer-Aided Engineering)...シミュレーションによる製品の性能分析を行うツールです。設計段階での性能評価や改良点の検討を行い、実際に製品を作る前にシミュレーションで性能を評価できます。

CAD、CAM、CAEの関係性

CAD、CAM、CAEは、設計から製造、性能評価までの一連のプロセスをサポートし、製品開発の効率化と精度向上に寄与します。

  • ・連携とデータの共有...CADで作成された設計データをCAMで使用し、製造プロセスを自動化します。さらに、CAEを使用してシミュレーションを行い、設計の妥当性を確認します。
  • ・統合的な活用...これらのツールを統合的に活用することで、設計から製造、評価までをシームレスに行うことができ、製品開発のサイクルを短縮し、品質を向上させられます。

Autodesk Fusionを用いたCAD、CAM、CAEの統合的活用法

上でお伝えしたように、CAD、CAM、CAEは統合的に活用することで、製品開発の効率化と精度向上が期待できます。 統合的な活用を実現するための手段が「Autodesk Fusion(Fusion360)」です。

Autodesk Fusion(Fusion360)の基本機能と特徴

Autodesk Fusion(Fusion360)は、設計から製造、シミュレーションまでの全てのプロセスを一つのプラットフォームで統合的に管理できるオールインワンツールです。

統合された設計機能(CAD)

Autodesk Fusion(Fusion360)のCAD機能は、高精度な設計図面を作成できるだけでなく、クラウドベースのデータ管理により、設計データの共有やコラボレーションが容易です。

このため、チーム全体がリアルタイムで設計プロセスに参加でき、効率的なプロジェクト管理が可能です。

製造プロセスの自動化(CAM)

Autodesk Fusion(Fusion360)のCAM機能は、設計データを基に製造工程をプログラムし、製品の製造を自動化します。このため、生産時間が短縮されるとともに、加工精度も向上します。
特に5軸加工に対応しており、複雑な形状の部品も高精度で製造することができます。

シミュレーションと解析(CAE)

Autodesk Fusion(Fusion360)のCAE機能は、設計段階でのシミュレーションと解析を可能にし、製品の性能を評価・改良することができます。このため、設計ミスを未然に防ぎ、製品の品質を高めることができます。

特に、製品が実際に使用される環境をシミュレーションすることで、リアルなデータに基づいた設計改善が行えます。

まとめ

CAD(Computer-Aided Design)、CAM(Computer-Aided Manufacturing)、CAE(Computer-Aided Engineering)は、現代の製造業において重要なデジタルツールです。それぞれが異なる役割を担いながらも、統合的に活用することで効率的な製品設計から製造、性能分析までを実現できます。

統合的活用法とAutodesk Fusion(Fusion360)

Autodesk Fusion(Fusion360)は、CAD、CAM、CAEを一体化した統合ソフトウェアであり、設計から製造、分析までをシームレスに行うことができます。たとえば、設計したモデルをそのままCAMに送り、最適な切削経路を自動生成したり、製造時の問題をCAEで事前にシミュレーションしておくことが可能です。

Autodesk Fusion(Fusion360)をフアクトで申し込むメリット

フアクトは、Autodesk Fusion(Fusion360)の正規販売代理店です。
Autodesk Fusion(Fusion360)をフアクトで申し込むことで、以下のような多くのメリットを享受いただけます。

以下で、特に注目すべき3つのメリットをご紹介します。

4軸加工・5軸加工が可能

フアクトで提供されるAutodesk Fusion(Fusion360)のライセンスは、4軸および5軸加工に対応しています。

このため、複雑な形状や曲面の加工が容易になり、製造業における高度なニーズに応えられます。特に、自動車や航空宇宙産業など、高精度な加工が求められる分野で、大きな効果を発揮するでしょう。

ポストプロセッサの作成支援を受けられる

ポストプロセッサは、CAD/CAMソフトウェアで生成されたデータを工作機械が理解できる形式に変換するために重要です

フアクトでは、専門スタッフによるポストプロセッサの作成支援提供しております。
ユーザー様が自分で行うよりも効率的かつ正確に設定を行え、加工精度の向上と作業時間の短縮が期待できます。

電話での即時問い合わせ、遠隔操作での直サポートが受けられる

フアクトのサポートサービスでは、電話での即時問い合わせが可能です。
このため、問題が発生した際に迅速に対応でき、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

また、必要に応じて遠隔操作による直接サポートも提供しています。
複雑な問題や、設定の調整をリアルタイムでサポートスタッフと共有しながら解決することが可能です。

これらを利用することで、安心してソフトウェアを使用できるでしょう。

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